さよなら、Teacher
ヒロの部屋で勉強する時に、いつも壁に掛けてあった、高校の制服。似ている気がする。

…まさか。
いや、東京には400を超える高校の数があったはず。そんなことあるはずない。ブレザーの制服は定番だから…


横断歩道の信号が赤になる。

恵は鞄から手帳を取り出し、恐る恐るページを開く。
それから、先程渡された就業に関する書類の入った封筒にある高校の名前を見た。


信号が青に変わり、恵の周りの歩行者が道路を渡っていく。

だが、恵は歩き出せなかった。

信号が点滅して再び赤になる。



見たことあったはずだ。
以前は週に3回、今でも週に1度は見ていた。ヒロの部屋の壁にいつもかかっていた制服なのだから。


どうしてもっと早く気づかなかったのだろう。
やっと教師になる夢が叶いそうなところで、まさか…


恵は目の前が真っ暗になった。喜びの絶頂から一気に奈落の底に突き落とされた気がしていた。


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