寂しがり屋の月兎
「……どうぞ……」

「ありがとう」

望が手振りで示した場所に兎田は腰を下ろした。

思っていたより距離が近い。

しかも望を満面の笑みで見つめてくる。

「あのう……なんですか……?」

「ん? うん、あのね」

彼は小さく首を傾げて喋った。

「俺ね、さっきから思っていたことがあって」

「はい」

「まず一つ目」

「……たくさんあるんですか?」

「たくさんってほどじゃないよ。で、一つ目」

なんなんだろうこの状況は。

思いはしても脳が理解できないので、とりあえず放置だ。
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