寂しがり屋の月兎
「友だちというのは、対等な関係だと俺は思うんだ」

「え? はい。……そうですね?」

哲学講義でも始まったのか?

「だから、敬語はやめてほしい」

「敬語……」

そういえば敬語で喋っていた。

でも、わざわざ敬語にして喋っているわけではないのだ。

あまりの美少年っぷりなので、口が勝手に敬語に言葉を変換するのだ。

などと言っても、きっと理解されないに違いない……。

「あれ、どうしたの? 敬語解除、そんないやだった?」

考え込んだ望の顔を、兎田が覗き込んだ。

上げかけた悲鳴を望は必死で飲み込む。

美少年、美少年、綺麗な顔が、至近距離に……!

もはや声も出ない。
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