寂しがり屋の月兎
「俺、望ちゃんのこと好きだよ」

ためらいも衒いもなく、兎田は言った。

ガラス玉の瞳の奥には、真剣な色が宿っている。

望は一瞬呼吸を忘れた。

ふっ、と息を吐いたのと同時に、胸が速く鳴り出す。

不思議と、すんなりと彼の告白を受け入れていた。

ふつふつと感情が湧き上がってくる。

喜び。嬉しさ。

愛しさ。
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