寂しがり屋の月兎
「……どうすればいいんだーっ!」
玉川望は、頭を抱えて一人で叫んだ。
言ってしまってからはっとして、慌てて辺りを見渡すが、人の影はない。
胸を撫で下ろしつつ、膝の上のノートに視線をやる。
放課後の学校、大木の下のベンチに、望は座っている。
中庭の隅にあるこのベンチは、校舎の窓からも見通せない死角だ。
広葉樹の葉が太陽の光を遮り、かなり居心地よく過ごせるのだが、生徒にはあまり人気がない。
なぜだか知らないが、毛虫がたくさんいるという噂があるからだ。
望はその噂を知らないころにここを見つけ、それから放課後はずっとここで過ごしている。
実際は、毛虫なんて一匹もいないのだ。
玉川望は、頭を抱えて一人で叫んだ。
言ってしまってからはっとして、慌てて辺りを見渡すが、人の影はない。
胸を撫で下ろしつつ、膝の上のノートに視線をやる。
放課後の学校、大木の下のベンチに、望は座っている。
中庭の隅にあるこのベンチは、校舎の窓からも見通せない死角だ。
広葉樹の葉が太陽の光を遮り、かなり居心地よく過ごせるのだが、生徒にはあまり人気がない。
なぜだか知らないが、毛虫がたくさんいるという噂があるからだ。
望はその噂を知らないころにここを見つけ、それから放課後はずっとここで過ごしている。
実際は、毛虫なんて一匹もいないのだ。