寂しがり屋の月兎
「望が誰か一人のものになるなんて、許せないわ……」

ポツリポツリと有明は愚痴を言う。

「だいたいなんなのよ、あの男。絶対タイミング仕組んでたじゃないの」

「そうかもなあ」

「望が断れないような言い方で、いつもなにか言ってるんだわ」

「そうかもなあ」

「でもここで追いかけたら、子供っぽすぎるし……」

「なるほど」

「せっかく虫除けスプレー買ってきたのに……」

「…………」

返す言葉に詰まっていると、兎田から連絡がきた。

三時に駅で、とのこと。
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