ヒロインvs悪役
「わ、私は…光を思う気持ちは誰にも負けない自信がある!」



「はあ?何それキモ。光くんかわいそー。
こんな重い女に好かれてるとか。
知ってた?重い女って男に愛想尽かされるんだよ?」


確かに、私は重いのかもしれない。





自分の気持ちを伝えることが苦手だし、2年付き合った今だって光といると緊張する。

嫌いなところがひとつも見つからないくらいに好き。



重い、

そう思われてもいい。





「光が…光が好きだから、だから…っ」


だめだ、涙のせいでうまく話せない。

言いたいことがありすぎて、気持ちが溢れすぎて、



必死に顔を上げ、口を開こうとしたその時

「…玲。もういいよ」



ふわりと優しい香りに包まれた。

安心できる大好きな香りに。



「頑張ってくれてありがとう。玲の気持ち、ちゃんと伝わったから」



久しぶりの光の体温。

私よりずっと大きな身体に包み込まれてホッとして、また新たな涙が溢れ出る。
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