キミの運命の人は俺じゃない

時々頬に触れるひんやりした手が気持ち良かった。

あまりの気持ちよさにみずから頬を擦り寄せる。

傷が熱をもち焼けつくように痛い、、、

「痛い、、、、」

涙が浮かび誰かがそっと涙を拭う。
握られた大きな手に朦朧とする私はどこにいるのかさえわからない。

うっすら開けた目にはそばにいるのが男だという認識しかできなかった。
身近にいる異性はいつも学生時代から一緒にいる虎太朗しか私にはいない。

だから私は勘違いした。

目の前にいるのは虎太朗だと、、、。
いつも困っているときに助けてくれる唯一の人、、、

「虎太朗、、、痛い、、、
助けて
、、、虎太朗、、、」

そう呟いていた、、、、