できすぎる上司♂と不器用すぎる部下♀
「でも言わないままだったらこの先どうなるのよ。」
「司が一人で突っ走れないくらい、司は桜木さんが大切なんだろ。見ただろ?あの顔。」
「……。」
佳子はそういわれてうつむく。切ないくらいに桃を大切そうに見つめる司を知っている。

「で、親友のことも大切だけど、俺たちは?俺、返事待ってんだけど?」
「……。」
龍仁が佳子の顔をのぞきこむ。佳子はうつむいたままだ。
「まぁ、待つのは慣れてるから。返事は今じゃなくていいよ。」
答えを出せない佳子を包み込むように龍仁は微笑んだ。
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