できすぎる上司♂と不器用すぎる部下♀
「かせ」
笑いながら桃の手を引き脚立から離れさせるとすたすたと脚立をのぼる司。
「課長、これは私が。」
桃が声をかけると「ほら」と古い電球を渡してくる。
背の高い司は背の低い桃よりも簡単に交換できた。
「ちょうだい」
「え?」
「電球」
「あっはい。」
桃に差し出された大きくて筋が通っていて指の長い、さっきまでハンドルを握っていた司の手に電球を渡しながら、桃はどきどきしていた。
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