復縁する可能性ゼロ%


「結婚?誰と誰が?」


「話の流れだから仕方ないだろ」


「そこまで嘘をつく?
みんなにバレたらどうするの?」


「大丈夫だろ」


「専務だって人間なんだから
ちゃんと口止めしなきゃ」


「バラされたらバラされたで
その時は別れた設定にすればいいだろ」


「もーーー困る!
そんなの困る!ただでさえ」


横田さんたちがうるさいのに
これで付き合ってるだと嘘の話が
出回ったら何をされるか。


「ただでさえ?ただでさえ何?」


「なんでもない
なんで私なの?他の人でもよかったじゃん」


「他の人にこんなこと頼めるか?」


「喜んで受けてくれるかもよ
仮にでも彼女設定になるんだから
そんなことより
彼女居ないわけ?」


「今は居ないだけだよ!
それが何か?」


「別に・・・
あっ!!!重大なこと忘れてた
なぜ私が颯斗の恋人設定になるわけ?
しかも須藤専務に言うわけ?
その説明してよ!
約束は守ったんだから」


須藤専務の家に行った時
娘のゆりえさんと会って以降
ゆりえさんに気に入られて
専務からは
『娘と1度食事をしてくれないか?』と
頼まれて1度だけ2人で会ったそうだ。


それからずっと専務から
「娘のことを頼む」と
言われ続けて断るために
私を使ったと言う。


しかも今日付き合っている人を紹介すると
須藤専務と前日に約束したらしい。


だから事前に
私を利用しようと考えてたようだ。


「もう用が済んだから
みんなのところに帰っていいよ」


お役目ごめんってことか。


「言われなくても帰りますっ!」


元彼に利用されてしまった。


屋上へ上がるともう閉会していたようで
イベント会社の人たちが後片付けを
していた。


「どこ行ってたのよ」石本さんが
私に言った。


「用があって・・・」


「課長と2人していないから
みんなそれぞれ言ってたよ」


ヤバっ。。。またか。。。


ここに2人して現れなくて
不幸中の幸だ。


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