拝啓 元カレ上司サマ

ターニングポイントとなったあの夜を越えて、本当の意味で身も心も新しく生まれ変わった麗香は、まるで憑き物が落ちたかのように、そして未来を夢見る少女のように……少女は無理だけれど、拘り(こだわり)や蟠り(わだかまり)を捨て去って身軽になった。

そして、新しい週を迎えた営業所では、麗香の爽やかな朝の挨拶が聞こえていた。

皆口々に、体調はどうなのかと心配そうに尋ねるが、その清々し過ぎる表情に、胸を撫で下ろすのだった。

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