拝啓 元カレ上司サマ
大きな人

優しいキスで


宗也と付き合い始めて1ヶ月経ったある日のこと。

煌太のことを忘れていた訳ではないけれど、彼の結婚式に参列したあの女性課長夫婦と偶然デート中に遭遇した。

本社時代も現在も同じ総務部所属の気安さもあってか、課長は聞いてもいない岡谷夫婦の情報を伝えてくれる。

「葛西優希さん、あ、今は岡谷優希さんね。とっても幸せそうで綺麗だったわ~。岡谷君なんか鼻の下伸ばしちゃって……」

耳を塞ぎたくなる煌太と優希の情報を、矢継ぎ早に繰り出してくる。

もう限界だとばかりに、麗香が口を開こうとすると、宗也が助け船を出した。







< 165 / 496 >

この作品をシェア

pagetop