拝啓 元カレ上司サマ

涙ながらに伝える煌太に、そうじゃないのだと、一生支えていくと決めたのに……と泣き崩れる優希。

彼女と相手の男性を責めることはしないから安心しろと言う煌太に、ごめんなさいと続けるけれど、ずっと手を握ってくれている彼の温もりが今さらながら愛しくて、涙を流すことしか出来なかった。

「別れよう」

煌太から告げられた言葉に絶句して、俯いていた顔を上に上げる。

そこには、何の未練も蟠りもない、いっそ清々しい表情をしている煌太がいた。

そして優希は、本当にこれでもう、煌太とは終わりなのだと悟るのだった…。







< 291 / 496 >

この作品をシェア

pagetop