拝啓 元カレ上司サマ
麗香とどう接触すればいいのだろうかと、頭を悩ませて暫く経ったある土曜日のこと。
煌太は思い切って、隣接するマンションのオーナーの自宅を訪ねてみた。
小さいながらも日本庭園のあるその邸宅は豪奢な日本家屋で、オーナーの裕福さが見て取れる。
そして、囲炉裏のある広いリビングに通されて、これまた驚いてしまった。
部屋の調度品に目を奪われていたところに、オーナーの妻がやって来て、コーヒーを出してくれた。