拝啓 元カレ上司サマ

変身


煌太の緊張は物凄く、オマケに冷や汗をかいている。

せっかく麗香と面と向かって話をするチャンスなのに、汗臭いのはちょっと困るななどと考えてドキドキしている、本当は情けない男なのだが、そんなことはおくびにも出さず、煌太彼女の顔を見つめている。

一方の麗香は、元カレに正面に立たれて、少々怯んでいるのを悟られないように、大人の女性の対応を心掛ける。

久々に間近で見る煌太は、以前のような線の細い青年の雰囲気ではなくて、徐々に中年に差し掛かる、堂々とした姿に麗香には見えていた。







< 420 / 496 >

この作品をシェア

pagetop