拝啓 元カレ上司サマ
小一時間して、煌太の家族が病室にやって来た。
心配そうに、皆で煌太のベッドを取り囲む。
彼らの話ぶりで、別室で怪我の状態などの説明受けてきたことが分かった。
暫くの間怪我人の頭を撫でたり、手を握ったり労しそうにしていた彼らの中の一人が、麗香の顔を認識して直ぐに、
「あら、麗香ちゃんじゃない!あなた達また付き合いだしたの?」
怪我で運ばれて意識のない弟を他所に、以前、何度か一緒に食事をしたことのあった煌太の姉が、病室の隅で小さくなっている麗香に気が付いた。