今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
危険な街だってわかってた。
もともと、そんなに度胸のあるほうじゃない。
危険好きなわけでもないし、決して面白半分というわけでもない。
むしろ、小さいときから何事にも消極的で、人前に出るのも得意じゃないし、困ったとき他人に頼ることもできない小心者で……。
それなのに、どうしてまた来てしまったのかと聞かれたら
会いたかったから……なんだと思う。
ひと目でいいから姿を見たかった。
あの夜のことは夢じゃなかったんだって。“ユウダチ”という人はたしかに存在してるんだって、実感したくて……。
もともと会えると思ってたわけじゃない。
会えたらいいな、くらいの小さな期待で気づいたら寮を出ていた。
繁華街を一周して、会えなかったらすぐに帰ろうと思っていて
だけど、繁華街を歩いていたら絶対に会える気もしていた。
それで本当に会えただけでもすごいと思う。
会話らしい会話もできなかったけど、ひと目見られただけで十分だった。
それに、私のことを覚えてくれてた……。