今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
相手は無言のまま、私に噛みつくこともしない。
あの男性と同じ人物だとは、とても思えなかった。
「街に来いと言ったのは、響平を直接助けてあげることができないから…… 息子である響平を、手放したくなかったから……?」
小さな笑い声が響いた。
私に一歩、近づいてくる。
「僕はあの子の父親じゃない」
「え……」
「父親の資格がない。幸せにもしてやれないからね、本当のことは知らなくていい……僕を憎むことも、あの子の生きる理由の一つになっているはずだから」
……ああ、やっぱりこの人は
響平の“お父さん”だ。
自分が間違った選択をしていることに、とっくに気づいてる。
戻れなくなってしまっただけ。
こうするしか、方法がなかっただけ。