今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
さっきとは違って、すごく優しい。
毒が回るみたいに
頭がぼうっとして何も考えられなくなる。
だから、うっかり忘れるところだった。
「……あっ、待って」
「はあ。今度は何」
「ネックレス、返さなきゃ……」
大事な目的の一つ。
これを忘れては意味がないくらい……。
それなのに、響平はあっさりとした顔で。
「言ったろ。お前が着けてろって」
「でも、大事なものでしょ?」
「だから着けてろって言ってんの。次に会えんのいつかわかんねぇし、それ持ってたら嫌でも返しにこなきゃって思うだろ」
「……ほんとにいいの?」
「しつけぇ」
面倒くさそうな響平の声も、態度も嫌いじゃない。
一つひとつが、いちいち泣きたいくらいに好きだと思う。
こんな気持ちになるのは、あとにも先にもきっと響平しかいない。
黒い瞳が細められる。
決して離してくれない瞳。
この中にずっと囚われていたいと思った。