Love Eater



「で?今日もリっ君は廃人状態なのかな?」

「廃人通り越して亡霊ってとこかねえ。まあ、そこは真面目なリッカだから与えられた仕事は真っ当に熟すんだけどねえ」

「寧ろ仕事でギリギリ命繋いでるようなもんだぁね」

「本当に真面目な不真面目くんだからねえ、リッカは」

「そんな真面目だから蓮華君みたいな性質の悪い奴の口車に乗せられて漬け込まれちゃうんだろうねえ」

「だから人聞き悪いって~。俺は別になーんにも特別な悪戯なんて仕掛けてないってえ。嘘なんて一つもついちゃいない。ただ本当の事を言っただけで勝手に拗れて決別しちゃっただけなのよ?」

「その【本当】が【嘘】より毒になるって分かってて口にした癖に」

「クックッ、それこそ俺の責任じゃないねえ。事実に毒を持たせるのなんて当人たちの責任でしょ?同じ意味でも伝え方次第で結果なんていくらでも変わる。配慮すべき場面で考え無しに行動したのはリッカの落ち度だ。俺の責任じゃない」

「確かに一理。でもそんな配慮の必要性が恋愛初心者のリっ君の頭にあったと思う?」

「じゃあ、これで一つ学べたって事で良いんじゃない?恋愛感情ってのは実に壊れやすくてデリケートに扱うべきものだって」

「本当に君って奴は可愛くないねえ。ああ言えばこう言う」

「そりゃあそうでしょ?なんで自分が間違ってるって思ってないのに罪悪を覚える必要がある?俺から言わせれば、あれで壊れるならその程度の関係だった。それだけだよ」

どこまでも自分に非はない。

寧ろ悪いのはソルトだと言う蓮華の言い分には百夜も肩を竦めて反論する気もないのだ。


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