Love Eater
元の種をまいたのは確かに蓮華。
それでも蓮華の言う事も尤。
言い方一つで回避できた事態。
必要なフォローを怠って自分の感情優先に行動したのはソルトの落ち度だ。
それに蓮華の言う通り、これで終わるならそれまでだったのだろう。
この程度の誤解で拗れて終わる関係であるなら、寧ろさっさと清算して終わってしまえばいい。
まあ、それが出来る筈もないソルトだと理解しているから百夜も呆れず見放さずに傍観を続けているのだが。
「まあ、どうにかしようにも魔女子ちゃんの方がパタッと雲隠れときてるしねえ」
「それなぁ。補佐に入った俺としても魔女子ちゃんが魔女してくれなきゃ捕まえようがないってねえ。リッカも仕事を片付けたかと思えばフラーっと出かけて探してるみたいだけど……あれはなんかアテがある行動なのか……ねえ?」
「さあねえ、」
疑問と言うより百夜への問いかけ。
含みたっぷりの笑みを向ける姿に百夜が返すのは曖昧な笑みと甘ったるい紫煙と。
そんなのは自分で調べるこった。
そんな含みを逆に込めてにっこり笑えば、今度は蓮華が肩を竦めて煙草をふかすのだ。
蓮華には曖昧に返したが、多分アテはあるのだろう。と答えは出ている。
いや、知っているのだ。
毎日毎日ソルトが唯一のそれを頼りに探って求めて、結果たどり着く事叶わず家路についている事を。
六花の住処であった部屋を捜し歩いている事を。