Love Eater



しかもソルトからすればどちらも理由の分からぬ六花の暴挙。

流石に滾っていた欲求も程々に引っ込んで、殴られた頬を押さえながら本当に何事かと口元をヒクつかせてしまうのだ。

そんなソルトにようやく向けられる六花の心情と言えば、

「っ……無理っ!!」

「………………へ?」

「こここここんな………だって……無理無理無理!」

「ちょ……へ?………六花……さん?」

「っ……溶けるっ!!」

「……はいっ!?」

「ソルトとキスしてたら僕溶けちゃうっ!!」

「っ……ぉぉぉ……」

いつもであるのならだ。

「溶けるかボケェッ!!」なんてソルトの突っ込みが入っても可笑しくない六花の問題発言であるのだが。

内容が内容。

しかも目の前の六花の実に愛らしい状態からのこの発言では、ソルトもただ悶絶し、腹の底からひねり出したような音を発するくらいしか反応が出来なかったという。

何が可愛いって。

それが比喩的な意味でなく本気で『溶ける!』と思い込んでの発言であるらしい六花の姿が。

つまりは、六花が本当にそんな危惧をする程ソルトとのキスに感情移入し異性として反応したという事になるのだ。

それを分かってソルトが興奮しない筈もない。

一回は引っ込んだ欲求がギュンッと再浮上する程の六花の殺傷能力の高い愛らしさと自分への好意。

当然ソルトの脳内は一瞬で煩悩がひしめいたお祭り騒ぎとなった事は言うまでもない。

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