Love is GAME
「だったら、何か奢らせて。」

彼は目をパチパチさせていた。

「先輩、奢ってくれるんですか?」

「仕方ないでしょう。仕事手伝えなかったんだから。」

私も立ち上がると、彼は嬉しそうに笑っていた。


会社を出て、しばらくすると、居酒屋が見えてきた。

「ねえ、この……」

「先輩、ここにしましょう。」

彼は、いわゆる牛丼チェーンを指さした。

「私が奢るって言ってるのに、そんなところでいいの?」

「俺は結構、好きですよ。」

そして躊躇いもなく、お店に入って行く彼。

「牛丼並み二つ、お願いします。」

何も言っていないのに、勝手に頼んじゃって。


「本当にここでよかったの。」

「はい。って言うか、先輩高い店しか行かないから、新鮮でしょう。」

私は彼に知られずに、ため息をついた。
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