稲荷と神の縁結び
とは言え……

「なんで遠く?」

そんな送迎が必要な出張なんぞ、年に一度あるかないかぐらいだ。元ご近所の知り合いか、どこかの神社からの斡旋ぐらい。

「半分は仕事じゃない。後で説明するけど、友達んとこ」

「友達?」

「そ、大学時代の友達」

圭ちゃんは一応、土地経営を勉強するため経営学部の大学を出て(しかもかなり頭が良いとこ)、それから神主の資格を取ったのだ。


「何かみてほしいものがあるから来てくれってさ」

「何?神棚とか?」

「祠って言ってたから邸内社じゃないかな」

「邸内社?」

「何か庭の一角にあるんだと」

それはよっぽど広い家にお住まいで……


「これ住所だから」

「………マジで?」

書かれていた住所は、うちの会社に程近い場所。つまり………繁華街ど真ん中。


繁華街ど真ん中にあり、邸内社のある家にお住まいの兄の同級生。
どんな金持ちなんだと心の中で呟く。



‐まさかそれがよく知っている人物だったなんて、思いもしなかった訳ですが。
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