稲荷と神の縁結び
「……ほぉ………」
と言うことは、馨様とはその話をしていたのか。

「それで店舗で、前撮りを始めようと思う。
こはるは、その写真館から来る人に習ってアルバムとか写真を売ってもらいたいんだ」

「写真………」

あまりピンとは来なかったけれど…。

「何か、面白そうですね」

ただイチ店員の私が新しいことを始められるなんて、こんな機会は滅多にないだろう。


清貴さんは「是非ともこの仕事は、こはるにお願いしたい」と。

「新事業だし、これからのこはるの選択肢も広がると思っている。
ちなみに、これからのキャリアはどう考えてる?」

『これからのキャリア』
そう言われて‐箸が止まった。


「………考えて、無かったです」


正直やりたいことがあって、この仕事を選んだ訳ではない。
『条件が良かったから』選んだのだ。
九月の祭りの準備があるから、夏休みをずらせて取れて(うちはお盆は繁忙期なので営業している)年末年始が休みという好条件だったから、ここで働いている。

ただ適正はあったらしく…入社初年度から高い売上を叩き出せたのは、運が良かったのかもしれないけれども。
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