稲荷と神の縁結び
なんだか険しい顔の滋子様。
余計なことを喋りすぎてしまったか?

「はいっ…何でしょうか?」

「えっと…とりあえず話をまとめましょうか。昨日は二人で食事に行ったというのは、間違いないのね?」

「はい。遅番のお二人と清貴さんの四人で、楽しくお食事をさせていただきました」


それを聞いて、表情を曇らせる滋子様。
ええっとこれは……本当に清貴さんが店の人らと上手くやれているか不安だという親心なのだろうか。

「それで何を話してらしたのかしら?」

「仕事の話以外では、主に先日結婚した店長の『結婚生活はいかに素晴らしいか』という話をしておりましたね。
清貴さんはお見合いを否定しておりましたが、店長自身もお見合いのような両親の紹介という形で出会って結婚されておりますので、そこまで悪いものではないという話を熱心にしておりました。私もそこまで否定するものではないかと思っておりますが」

しっかりと仕事以外の話も気軽にしてますよアピールで昨日のことを伝えてみるも‐まだ表情が雲っている滋子様。
首をかしげて何かを考えている。


なんだか……会話が噛み合っていない……?
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