偽装夫婦~御曹司のかりそめ妻への独占欲が止まらない~
「とてもいい反応だね」
尊さんはクスクスとうれしそうに笑った。
「あのもしかして、もう一度ですか?」
「一度で済めば、いいんだけど」
少し困ったように、そしてまるで他人事のように言う。
焦ったわたしは、胸元にキスを繰り返す彼を止める。
「さっき、さんざん――」
「あれくらいで? それに君に触れれば触れるほど僕の渇きがひどくなるんだ。もっと、もっとって」
「でもそれじゃあ……んっ」
ベッドから出られないではないか。そう抗議しようと思ったけれど、熱い唇がそれを阻む。
お互いの体が反応し始めると、それまで感じていた気だるさがどこかにいってしまう。
その後は結局――。
彼の背中を抱きしめて、お互いの吐息と汗が混じり合い境目がわからなくなるほど抱き合った。
「もっと、もっと」とわたしを欲する彼に、わたしの体は愛される喜びに満たされ続けた。