偽装夫婦~御曹司のかりそめ妻への独占欲が止まらない~
「いったい、どういうつもり?」
呆れて言葉が続かない。今までわたしが話をしてきた言葉は彼に届いていなかったのだろうか。
つき合っているときは気がつかなかったが、こんなに話の通じない人だったとは、嫌悪感しかわいてこない。
「もう、話もしたくない。顔も見たくないのよ」
「なんだその態度は」
逆上した翔太が怒りに満ちた顔で怒号をあげる。思わず縮こまったわたしは目をつむる。
怖いっ……。
「なにをしているんですかっ!」
突如男性の声がその場に響き、はっと目を開く。
すると大きな背中にかばわれていることに気がついた。わずかに見えた横顔で川久保さんのお孫さんだと気がつく。
彼の背中越しに翔太の顔が見えた。醜悪な顔をして、邪魔をした川久保さんを睨みつけている。
「そいつは俺の女だ。他人が首を突っ込むことじゃない」
不気味な笑いを浮かべた翔太は、一歩踏み出しわたしに手を伸ばした。