呪桜 キミ思フ
「桜華さん、寒くないですか?」
「だ……大丈夫よ」
「なら、よかったです。
 このタオル使って下さい」
「ありがと……」

あの後すぐに家に向かって走った。
駿の細かな心遣いがとてもうれしい。

あたしはもらったタオルで全体を拭くと、また

「ありがとう」

と言って駿に返した

「ところで桜華さん、怨霊に取りつかれるようなことしてないですよね」
「しているわけないじゃない!」
「狙われた理由もわからないのに、なぜ桜華さんを襲ったのでしょうか?」
「わからないわ……」


どうしたら、わかるだろうか。
怖くて、なんも調べられないあたしがここにいた。
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