神様辞めます!~転生女神は平凡を望む~

そんな、トホホな気持ちを持ちつつも部屋を出て家族用のダイニングに向かう。
そこで、ちゃっかり手を繋いでくる可愛いマーラに私はサクッと絆されるのだ。
可愛い妹は正義!

ダイニングには既に他の家族が揃っていた。
我が家のモットーは、夜会などの用事がない限り食事は家族揃って取ることである。

そこで、家族で様々な話をしつつ夕食を食べる時間は、我が家では大切な家族団欒である。

「さて、今日の夕飯に遅刻した原因はなにかな?」

食べて、少し落ち着いた頃にお父様が聞いてきたので、私はアマンダにも了解を貰ってきていたので家族に報告した。

「今日招かれたアマンダ王女とのお茶会で頼まれ物をしましたので、明日まで忙しいんです。三日後に、アマンダ王女が皇国に旅立つ前に届けたいので」

お父様への返事に反応したのはお母様。

「何を頼まれましたの?」

「お産まれになる皇子さまへのおくるみを頼まれましたので、忙しいんですの」

数秒の沈黙の後、我が家のダイニングが騒乱となったのは言うまでもない。

「それなら、母は初めての靴をお作りしましょうね!」
「私はぬいぐるみにするわ!」

はい、我が家の女子はみんな手芸が趣味なので、こうして明日までに各々がやる気に満ち溢れて動くことになった。
なんでも揃っている、私の部屋に集合となって本日の夕飯はいつもよりとっても早く解散することになった。

お父様と、弟だけが置いてけぼりになり、その後ちみちみと親子で飲んでいたという。
趣味に全力なのがたまに傷なのが、ロジェスタ家の女子なのであった。
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