キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
 さすがクール王子、対応も超クール。
怯みそうになりながらも深呼吸をして、私はしっかり彼を見据える。

 よし、頑張るぞ!
 そう意気込んでから、私は告げた。

「宙斗くん、好きです。私と付き合ってください!」

 ここまでが宙斗くんのクールな王子像が崩れるまでの出来事だ。
 そして、時は私の告白直後に戻る。

「ち、近づくな。一歩でも近づいたら許さない!」

 目の前で慌てふためく宙斗くんと、唖然と立ち尽くす私。なんてシュールな光景なんだろう。

つい数秒前に散々なフラれ方をしたというのに、今はショック以上に困惑している。

「あのう」

「ヒッ、喋るな!」

 ──ひどっ!
近づくな、視界にも入るな、喋るなって……。

「じゃあ私は、宙斗くんとどうやってコミュニケーションをとればいいの?」

「とらんでいい!」

「じゃあ、私を見なくてもいいから喋るのだけは許してよ」

 私は今の距離からできるだけ動かずに、そっとしゃがむ。それだけで、尻餅をついている彼の肩がビクリと震えた。

 なんか、百七十センチ以上あるはずの大きな宙斗くんが、今は小動物に見えるのはなんでだろう。

 苦笑いを浮かべながら、頑なに片手で目を塞いでいる彼を見つめる。

    

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