キライが好きに変わったら、恋のリボン結んでね。
 そうです、私はここにいます。もっと詳しくいえば、今きみの後ろにいます!

 高杉くんのひとり言に、心の中で勝手に答える。

 というか、私の机になんの用ですか!?
早くいなくなってくれないと、私が帰れないんですけど。

「ここ、置いとけば気づくだろ」

 そう言って高杉くんがポケットから取り出したのは、私のお気に入りの赤いリボンだった。宝物であるあのリボンを見間違うはずはないので、あれは私のものだろう。

「大事にしてくれて、ありがとな」

 そう言って、私の机にそっとリボンが置かれる。

 どうして、高杉君くんがそれを持ってるの?
 ありがとうって、どういう意味?

 頭の中にたくさん浮かぶ、クエスチョンマーク。もしかして、高杉くんが授業中に席を立ったのはこれのため?

 だって、私が昼休みにリボンを探しに行くまで、彼はずっと教室にいた。取りに行ったとするなら、サボり疑惑が浮上した一限目の授業中しか考えられない。

「探しに行ってくれたんだ……」

 小さな声で呟いて、そっと胸をおさえる。心臓がありえないくらいに拍動していた。

    

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