*SOUZI*
逃げるように近藤は部屋を出た


しばらくすると


近藤の部屋に土方が来た


「弱音を吐き出したかっただろうが
俺は、受け止めるほど強くない…
歳… 総司は、治るんだろう?」

「ああ 治る」


近藤の部屋を出た土方が
拳をぷるぷる震わせ握る


咳き込むことはあっても
寝込むほど悪くなかったが
病が進行している

近藤の疲労や心労を考えたら
労咳だ、治るかわからない
などと、言えなかった


沖田の部屋に戻ると
すやすやと眠っていた


夕餉を部屋に運ばせて
沖田が起きるのを待った


「土方さん?…いたの?」

「よく寝れたみてぇだな」

「おかげさまで」


食事をするため、沖田が上半身を起こす


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