偽のモテ期にご注意を

『このままじゃ、ダメだわ・・でも・・』

献身的に恵が入院中の世話を焼いてくれるが、その間一言も置鮎の事には触れてこない。

恵は今移動願いを受理されたので、こちらに移る準備に追われているようだ。

忙しい合間を縫って病院に訪れてくれている事を、感謝している。

『本当なら、最短ルートを通る筈だったのに、私のせいで回り道をさせてしまった』

体調が良いので、少し散歩をして、中庭のベンチで日向ぼっこをしていると、色んな人が行き交うのが見える。

『みんな、色々な事情を抱えてても、一生懸命生きてるのよね』

車椅子を引く母と引かれる子供、歩行器を使って歩いている老人。

笑っている人、落ち込んでいる人色んな人が居る。

入院後半は時間のある時はここでぼんやりと、人を見ていた。

『私も、頑張らないと』

退院間近になる頃にはそう思えるようになっていた。
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