偽のモテ期にご注意を
上から下までキッチリとハイブランドで統一された服に、華美にならない程度の化粧をしている姿は、キャリアウーマンのイメージを体現している。
「置鮎社長と会いたいんだけど」
ニコリともしない恵に、受付譲が一瞬息を呑む。
「アポイントメントはございますか?」
「そんなもの無いわ。だから、社長に伝えて「沢城圭奈の代理人が来たと」」
驚いて直ぐには言葉が出なかったが、我に帰って業務用の声で答える。
「社長は今、あいにく会議中でございます」
「あら、指示を仰がなくていいの?このまま私が帰ったら、貴女達首になるわよ」
「!?脅迫ですか?」
「いいえ、事実よ。社長が会いたくないなら、私は帰るから、ちゃんと本人に確認を取りなさい」
「それは・・・。」
恵の抑揚の無い話方と威圧感にたじろぐ2人をじっと見据える。
「・・・社長秘書の前野に連絡してみます」
秘書2人は顔を見合わせた後、小声でやり取りをして、対応を変えた。