偽のモテ期にご注意を
「えぇ、連泊に変更をお願いします」
遠くで微かな話声がして意識が浮上する。
『昨日・・凄く幸せな夢をみたなぁ』
体を起こそうとして、あまりの気だるさに起き上がれず、もう一度意識を濁そうとする。
『恵と美味しいものを食べて、幸せだったから・・あんな夢を見たのかしら』
― 圭奈。愛してます。 ―
『我ながら、都合が良過ぎるわよね』
置鮎の言葉を思い出しながら、幸せそうに笑う。
「起きたくないなぁ・・ずっと・・覚めなければ良かったのに・・」
現実は目が覚めるとベッドに一人眠っていた。
あんな幸せな夢の後だと、何時も以上に辛くなる。
「どうしたら・・忘れられるの?」
胸が苦しくなって、涙が零れる。