偽のモテ期にご注意を

『あの後、ランチをして別れたけど・・・コレ持ってていいのかしら』

掌の中には置鮎の部屋の鍵。

帰り際に渡されたものだ。

― 好きな時に来ていいですから ―

そう言われたが、セフレと言うものを知らないから何とも言えないが、普通セフレに合鍵を渡すものだろうか。

『知り合い程度の相手に、勝手に部屋に入られたら気持ち悪くない?』

置鮎の考えている事が分からず途方に暮れてしまう。

置鮎の(セフレとしての)提案は、「お互いに恋人が出来たら終わり」「待ち合わせは置鮎宅で」「お互いの都合のいい日を連絡し合う」と言う3点だった。

それとは別に、沢城の方が年上と言うことで、砕けた喋り方にして欲しいと言われた。

お互い仕事が忙しいから恋人は要らないのだから、このルールはとても楽だった。

「琥珀であった時はどうするんだろう」

考え出すとキリが無いがグルグルと考えているうちに、貴重な休みが終わってしまった。
< 40 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop