偽のモテ期にご注意を

「凄いですね。うちで炊き立てのご飯が食べられるとは思いませんでした。」

結局あの後も、リビングに戻らなかった置鮎は、親子丼が出来るのを楽しそうに眺めていた。

ご飯が炊き上がるのを待つ間、行儀が悪いのだが、キッチンで鯖トマトを食べながら、ワインを飲んでしまった。

親子丼をリクエストしたにも係わらず、丼が無かったので、結局平皿に盛り付ける。

「ホントね。私も、こんなに何も無い家で良く親子丼が作れたと感心してるわ」

お互いに顔を見合わせて笑いあってから、遅い夕食が始まった。

「美味しい」

「確かに、鍋で炊いた適当ご飯とは思えませんね」

色々心配では有ったが、お腹が空いていたお陰か親子丼は思いのほか美味しかった。

洗い物をしている間に、お風呂に入って貰ったが、洗い物をした後は所在が無くなってしまった。

「やっぱり・・帰ろうかな」

そう思いたち、鞄を取ろうとすると、置いていた筈の鞄が無くなっていた。

< 57 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop