偽のモテ期にご注意を

残業を減らし、髪やネイルに気をつけながら、自宅で自分磨きを少しずつしていると、少し自分に自信が持てた。

クローゼットに入れておいた、置鮎から貰ったスーツを、良く見える所に置く事で、励みになった。

「最近綺麗になったな」

給湯室でコーヒーを入れていると後ろから声をかけられ、振り向くと松本が立っていた。

「そう?」

何でもない風に応えたが、心の中ではガッツポーズを取っている自分が居る。

「あぁ、彼氏の為か?」

「どうかしら。ただ、三石や宮村見てたら、自分も頑張らないとって思ったの」

「まぁ仕事以外にも楽しみが無いとな。と言う事で今日暇?」

「えぇ~。今日?・・・そうねぇ。良いわよ」

松本の分のコーヒーを渡しつつ、自分のスケジュールを思い出してそう応える。

「そうか、じゃぁ18時30分にロビーで待ち合わせな」

コーヒーカップを持ち上げて、爽やかに笑いながら給湯室を後にした。
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