偽のモテ期にご注意を

「カンパ~イ!」

掛け声と共にビールのジョッキを合わせて、一気に喉に流し込むと、一日の疲れが吹き飛んでいく。

「仕事終わりのビールって何でこんなに美味いんですかね」

草尾が一気に飲み終えたジョッキをテーブルに下ろしながら、満足そうに言うと、うんうんと残りの三人が頷く。

入り口側の席の奥側に草尾、その前に松本、松本の横に沢城でその前に宮村が座っている。

「達成感ですかね」

宮村が、こちらも満足そうな顔をしながらつまみを食べている。

「三石が残念がってたわね」

草尾と沢城が連れ立って帰っていく中、珍しく仕事が終わらなかった三石がもの言いたげに見つめていた。

「良いんですよ!梓ちゃんは彼氏持ちなんですから」

「あれ?宮村彼氏は?」

「松本さん聞かないで下さい」

串焼きを頬張りながらジト目で松本を見るので、松本も察して謝った。

「じゃぁ今フリーなの?」

「う、沢城さん、傷を抉らないで下さい」

「違うわよ。宮村狙いの子が社内に沢山居るんだから、次の恋も直ぐでしょ。ね?」

そう言って松本と草尾を見る。
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