19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。
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相変わらずの陰湿ないやがらせは続いている。

だけど私は今までほど気にしないでいられた。


学校の帰りに展望デッキへ行くと、いつも純がいるから。

私たちは妙に気が合った。

純も家の事でモヤモヤを抱えてるから、かな。


学校の事、今までの転校先での事、家の事、たくさん話した。

純のことも、たくさん聞いた。


卒業まで、このままやり過ごせるって思えるようになった。

そんな矢先だった。

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