19時、海風が頬を撫ぜる丘でさよならを。

本土へ行く船は、朝と夕方の一日二往復しかない。

朝の便はもう出てしまった。

夕方に出たら朝まで帰れないから、親たちが心配して戻ってきた後が大変。

だから今日は無理。

というか平日は船着き場で怪しまれるから、計画の実行は日曜に延期。

そんなわけで学校に戻った私は、なにくわぬ顔で授業を受けた。

フリンとかなんとか言ってる囁き声が聞こえたけど、私の耳にはただ少しうるさい風の音にしか聞こえなかった。

この苦しさに終わりがくると決まったら、何もかもスルーできる。


計画はこうだ。

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