さよなら、センセイ
「さてと、帰ろっか?どっかでメシ食ってく?」
「いいねぇ。最後はパアッとな。
じゃ、センセ、元気で。
マジでありがとう。楽しかったよ!」

生徒達は、恵と最後の握手をして、一人、また一人と帰っていく。


最後には綺羅とヒロだけが残った。


「楽しかった。
ホント、この一年、めっちゃ楽しかった。
まぁヒロにはフラれちゃったケド」

綺羅は笑ってヒロと、恵を見た。


「ねぇ。

ホントは二人、付き合ってるんでしょ」


いきなり核心を突いた綺羅の言葉に、恵はびくり、と反応してしまう。


「ずっと、考えてた。
めぐみ先生と、どっかで会ったコトある気がしてたの。

それがさ、この間、駅で友達と待ち合わせした時にふっと思い出したんだよね。
いつだったか、ヒロとカラオケ行った時、駅で会ったヒロの家庭教師。
あの時とはだいぶイメージが違ってて気づかなかったんだけどさ。
ヒロがあの時、“メグミ先生”って呼んでた人と、めぐみ先生が、同一人物だって」

恵もあの時の事は覚えている。
でも、あの時ヒロが連れていた女の子が綺羅だったとは思ってもいなかった。

「ヒロが自分から家庭教師に声をかけるなんてって思ったの。カテキョーなんていつもシカトするヒロがね。
考えてみれば、あの頃からだった。ヒロが変わったのは」


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