夜をこえて朝を想う
朝が来るのが怖かった。あなたと過ごせない朝が。

あなたが、誰かの元へ行ってしまうかもしれない。

覚悟を決めても尚

怖かった。

そんな朝が。

だけど…ここは…

他の誰でもない…

私の居場所だった。

私だけの。

今は、朝が愛しい。

また、彼と共に始まる新しい1日が。

「そろそろ、一緒に住まないか?」

「うん、考えとく。」

同棲じゃなくて、結婚という意味で彼は言う。

何度も何度も。

いつか

「はい。」

と、言える日まで。

もう少し、この幸せに慣れるまで。

夜をこえて

あなたと過ごす

朝を想う。

あなたの、隣で。

あなたの、腕のなかで。

何度も、何度も。

愛が

ある

この場所で。

END

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