夜をこえて朝を想う
それからすぐ、梓に呼び出された。
「湊、誤解させてごめんね。」
「誤解だよね…ごめん、恥ずかしい。浜川さんも吉良くんも巻き込んで…」
「うん、一人で京都行ってたんだ。吉良くんと旅行行った想い出の…どうしても、浜川さんに想いを告げる前に、行きたくて。」
つまり…
前向きな一歩の為に…
私が、勘違いして…
あの騒動だ。
携帯繋がらなかったのは新幹線に乗ってたから、電源を切っていたのと
写真を取りすぎて充電が落ちた。そして、充電器を持ってなかったけど
すぐに、帰るからいいかと…そのままにしていたこと。
気持ちの整理をしていたし、充電の切れたスマホはしまったままにしていたと…
会社にも連絡はしてたけど、それを浜川さんが知らなかっただけ。
ああ、恥ずかしい。
「ごめん、それほど…湊にトラウマがあるんだよね。私が…その…運ばれたりしたから。」
「いや、うん…えっと。」
「ありがとう。今まで。これからは、自分のために。」
そう言って、私の手を握る。
ああ、メッセージと実際会って言われるとニュアンスが全然違う…。
「それと、吉良くん連れてきてくれて。」
「あー…うん。」
「湊はいいの?」
「何が?」
「吉良くん。」
「え?」
「好きなのかなって…」
「へ?まさか!私友達の元彼とか、ムリムリ!」
「んー、そっか。」
気づいてたんだ。バカだなぁ。私。梓は、それでも何も言わないでいてくれたんだ。
「京都、行くんだってね。幸せになってね。」
「うん、連絡する。湊も、遊びに来て?…それから…はい。」
そう言って、綺麗な色に…染められたハンカチ。
「京都土産。私はこれ。」
そう言って、ピンクのハンカチを見せてくれた。
私のは、ピンクが、薄い紫に変わる…グラデーション。
「…綺麗。」
「うん、湊みたいでしょ?」
「私は…こんな…」
「誰もが振り向く美人だよ、湊。」
「な…そんなこと…」
「美人で、優しくて、真っ直ぐで、面倒見もよくて…泣き虫。」
ポロポロと溢れる涙をそのハンカチで拭った。
私の涙を吸った部分が、濃い色に変わる。
「湊、幸せになってね。私と友達でいてくれてありがとう。これからも、よろしくね。」
そう言う梓に、抱きついた。
「泣き虫だなぁ。湊。」
そう言う梓は、とても、あたたかく、とても、強く感じられた。
大丈夫。
もう、大丈夫なんだな。
「湊、誤解させてごめんね。」
「誤解だよね…ごめん、恥ずかしい。浜川さんも吉良くんも巻き込んで…」
「うん、一人で京都行ってたんだ。吉良くんと旅行行った想い出の…どうしても、浜川さんに想いを告げる前に、行きたくて。」
つまり…
前向きな一歩の為に…
私が、勘違いして…
あの騒動だ。
携帯繋がらなかったのは新幹線に乗ってたから、電源を切っていたのと
写真を取りすぎて充電が落ちた。そして、充電器を持ってなかったけど
すぐに、帰るからいいかと…そのままにしていたこと。
気持ちの整理をしていたし、充電の切れたスマホはしまったままにしていたと…
会社にも連絡はしてたけど、それを浜川さんが知らなかっただけ。
ああ、恥ずかしい。
「ごめん、それほど…湊にトラウマがあるんだよね。私が…その…運ばれたりしたから。」
「いや、うん…えっと。」
「ありがとう。今まで。これからは、自分のために。」
そう言って、私の手を握る。
ああ、メッセージと実際会って言われるとニュアンスが全然違う…。
「それと、吉良くん連れてきてくれて。」
「あー…うん。」
「湊はいいの?」
「何が?」
「吉良くん。」
「え?」
「好きなのかなって…」
「へ?まさか!私友達の元彼とか、ムリムリ!」
「んー、そっか。」
気づいてたんだ。バカだなぁ。私。梓は、それでも何も言わないでいてくれたんだ。
「京都、行くんだってね。幸せになってね。」
「うん、連絡する。湊も、遊びに来て?…それから…はい。」
そう言って、綺麗な色に…染められたハンカチ。
「京都土産。私はこれ。」
そう言って、ピンクのハンカチを見せてくれた。
私のは、ピンクが、薄い紫に変わる…グラデーション。
「…綺麗。」
「うん、湊みたいでしょ?」
「私は…こんな…」
「誰もが振り向く美人だよ、湊。」
「な…そんなこと…」
「美人で、優しくて、真っ直ぐで、面倒見もよくて…泣き虫。」
ポロポロと溢れる涙をそのハンカチで拭った。
私の涙を吸った部分が、濃い色に変わる。
「湊、幸せになってね。私と友達でいてくれてありがとう。これからも、よろしくね。」
そう言う梓に、抱きついた。
「泣き虫だなぁ。湊。」
そう言う梓は、とても、あたたかく、とても、強く感じられた。
大丈夫。
もう、大丈夫なんだな。