Love-ing(アイエヌジー)
「え!ちょ、ちょっと、えっちゃん!どこ行くの?」
「だーかーらぁ、野球部の部室?それともグランドに行った方がいいのかなぁ」と、のんきな声で答えるえっちゃんは、私を引っ張るように、その場へ連れて行こうとしている・・みたいだ。

「ちょっと待って!私、部活なんてしないよ?中学のときだって、私、帰宅部で・・・」

私の「必死さ」が、細腕を通して伝わったのか。
えっちゃんは、やっと立ち止まってくれた。

「えぇ?そうなのぉ?やっぱりそれって、定期的に病院に行くから?」
「え?病院って・・・・・あぁ、これ」と私は言いながら、右手の指で、顔の痣に少しだけ触れた。

それはまるで、はれ物に触るような慎重な触れ方だったけど・・実際のところ、見た目とは全然違って、痛くもかゆくもない。

私はクスッと笑いながら、「痣(これ)は生まれつき」とえっちゃんに言った。
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