Love-ing(アイエヌジー)
「生まれつき?」
「うん。だから、痣(これ)のせいで病院通いはしてないよ」
「あぁそっか!ごめーん!なんか・・怪我してるのかと思って・・・」

ひたすら恐縮しているえっちゃんに、これ以上居心地の悪い思いをさせないよう、私は精一杯のニコニコ顔で、「大丈夫。怪我じゃないから」と言った。

「小さい頃――ていうか、赤ちゃんの頃くらい小さいときだから、覚えてないんだけど――は、痣のことで病院に連れて行かれたことがあったみたい。けど、結局お医者さんから“消えないものだ”と言われて。それで、お父さんもお母さんも、病院通いは止めたって」
「ふぅん・・ぶっちゃけそれ、痛くないの?」
「全然。見た目がこんな・・色してるから、そう思われることが多いんだけど。ホント、全然痛くないんだよ。ただの痣だから」

・・・そう。これは「ただの」痣。
でも、死ぬまで私の顔から消えない、「ただの」痣・・・。
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