仮眠室で愛を叫べば
「お前どんだけ病棟で無駄に笑顔振り撒いてんだ?」

「なっ!なんで睨むんですか!?
仕事なんですから愛想よくして悪いんですか!?」

隣に座った宮前先生は、腕を組んで先程のように不機嫌だ。

「…宣戦布告された…」

「えっ?」

ぽそりと呟いた宮前先生は不機嫌でちょっと不貞腐れていた。

「今朝から何人かに宣言された。
俺と付き合うのが納得できないって。じゃあ誰なら納得すんだよ!」

もしかして…ヤキモチやいてくれてるの?

思わず私の頬が緩む。

それに気がついた先生が私の頬をむにゅっとつまんだ。

「なににやついてんだよっ!
タラシ…」

「むっ!先生は院内で笑うのと眼鏡を外すのは禁止です!
絶対っ絶対だめですからね!」

いったそばから先生はわざと眼鏡を外してじっと私を見つめてくる。

「うっ…」
途端に私の顔はみるみる赤くそまる。

「ズルい…」

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