皇帝の胃袋を掴んだら、寵妃に指名されました~後宮薬膳料理伝~

長めの前髪が顔にかかり、それをかきあげる様子が妙に色気を漂わせていて、心臓が大きな音を立てる。
目も綾な姿に、恥ずかしくなった。


それほど体調が悪そうには見えない。
しかしやはりよく見ると顔がむくんでいる。
この程度なら医者はいらないかもしれない。


「麗華さんが市場を案内してくださいました。それに、薬膳料理の心得があるそうで作っていただけると」


博文さんがそう伝えるのに合わせて「買い込んできたぞ」と玄峰さん手に持っている食材を差し出す。


「やっとうまい飯にありつける。麗華さん、調理をしてくれるなんて君は仏か!」


食べてないのかしら。
昨日は市場がわからず食事を抜いたってこと?

それにしても『仏』は言いすぎだ。


「劉伶さまの体調がすぐれないのは、水毒ではないかとおっしゃっています」
「水毒?」


博文さんの言葉に劉伶さまは端正な顔立ちをゆがめ、その視線が鋭くなる。

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